シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)では、南シナ海問題が主要な議題となった。1日には、日本の海上保安庁を含めた各国の海上保安機関が集まる会合があり、南シナ海で領有権を争うフィリピンと中国を中心に、攻防が繰り広げられた。
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フィリピン沿岸警備隊のギャバン長官は、南シナ海を「世界で最も不確実で、ますます不安定になりつつある海域の一つだ」と表現。東南アジア諸国連合(ASEAN)の各国や米国と協力し、国連海洋法条約に基づいて海上の警備を強化する、と中国を牽制(けんせい)した。
中国海警局の船がフィリピン船に放水砲を発射するなど危険行為を繰り返していることについて出席者から見解を尋ねられると、「放水砲の使用は良くない。政治的なメッセージと武力行使は不釣り合いで、やめることを望む」と求めた。
一方、出席した中国の関係者は、中比の関係について「(親中派のドゥテルテ前政権時代の)数年前まで協力関係があったのに、フィリピンの政策変更によって劇的に両国の緊張関係が高まった」と発言。中比が領有権を争うスプラトリー(南沙)諸島のアユンギン礁について「フィリピンが一方的に軍関係者らを送り込んで侵入している」との持論を展開した。
日本の海上保安庁も発言
中国と争いを抱える他の国か…