民主化を求めた学生らを中国政府が武力弾圧した天安門事件から4日で35年となった。習近平(シーチンピン)指導部のもとで中国本土だけではなく、香港でも事件がタブー視され、厳しい警戒態勢が敷かれている模様だ。
- 【連載】生きづらさ感じ日本へ 天安門事件追悼に集う中国の若者たちの思いは
2019年まで毎年、追悼活動が開かれ、ピークには10万人以上が集まった香港のビクトリア公園や周辺では4日夜、多くの警官が周囲を警備していた。記者が取材している間にも、黒いTシャツを着た若い男性が警察に連行された。
香港メディアによると、3日夜には地元の芸術家の男性がビクトリア公園近くで事件の日付を示す「八九六四」を手で描くようなパフォーマンスをしたとして警察に一時連行された。しかし、反体制的な言動を取り締まる20年の香港国家安全維持法(国安法)の施行などに伴って、香港では追悼集会は抑えこまれており、それ以外の目立った活動は公表されていない。
一方、園内では親中派による中国本土の各地の物産を紹介するイベントが開かれ、公園はブースで埋め尽くされた。
19年まで追悼集会を主催し…