自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が5日、衆院特別委員会で可決され、6日に衆院を通過する見通しとなった。政治資金パーティー券購入者の公開基準額の引き下げや政策活動費の公開のあり方が盛り込まれたが、企業・団体献金の禁止など抜本的な改革は見送られた。「令和の政治改革」で、「金権政治」や政治の腐敗は改まるのか。
付則になった二つの「改革」
「本当にやる気なら、なぜ今やらないのか。『付則』で先送りして、国民が忘れるのを待っているように見える」
元衆院議員の佐藤謙一郎さん(77)は、法案の本則ではなく付則に盛り込まれ、検討の期限も切っていない二つの「改革」の行方を危惧する。
岸田文雄首相が最終盤、公明党と日本維新の会とのトップ会談で盛り込み、「踏み込んだ案」と胸を張った内容だ。
使途がブラックボックスだと批判されてきた政策活動費の支出状況について、10年後の公開をうたう。ただし、条文は「制度の具体的な内容については、早急に検討が加えられ、結論を得るものとする」と続く。
政治資金の透明化に向けた第三者機関の設置も「具体的な内容について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」とされた。
30年前の裏切りが再び?
佐藤さんが危惧を覚えるのは、30年前の苦い経験があるからだ。
リクルート事件などを受けた…