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ウクライナ北東部ハルキウで2024年5月31日、ロシア軍によるミサイル攻撃を受けた住宅に駆けつけた救助隊員ら=ロイター
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 国連ウクライナ人権監視団(HRMMU)は7日、ロシアの全面侵攻を受けるウクライナで5月、民間人174人の殺害と、690人の負傷が確認されたと発表した。北東部ハルキウ州で攻撃が激化したことが理由だという。

 HRMMUはウクライナ当局の発表に基づいて民間人犠牲者を個別に確認し、毎月公表する。5月の死傷者864人は、昨年6月の878人以来となる多さだった。

 HRMMUによると、5月10日にロシアが新たな地上侵攻を始めたハルキウ州で被害が拡大したことが主な理由で、死傷者全体の53%が同州内で記録された。また、教育施設や医療施設の被害の65%が同州内だった。

 HRMMUのダニエル・ベル代表は、同州内のホームセンターで19人、印刷会社で9人が死亡したと指摘。「普段通りの生活を送る民間人が、いかに被害を受けやすいかということを浮き彫りにしている」と訴えた。

 HRMMUによると、2022年2月にロシアによる全面侵攻が始まって以来、1万1126人の殺害と2万1863人の負傷が確認されている。ただ、ロシアの占領地域における確認は困難で、実際の犠牲者数はもっと多い。(ロンドン=藤原学思)

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