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 靖国神社の石柱が落書きされた事件で、容疑者の中国籍の男が犯行を行う様子を撮影したとみられる動画がSNSで拡散された。中国でも「迷惑系」の投稿者が閲覧数(ページビュー、PV)を稼ぐ目的で動画を拡散する行為が問題になっている。

中国でも問題視される「迷惑系」動画。ただ、『金持ち系」など、何が問題になるかは日本と異なる事情もあるようです。

 動画には、容疑者とみられる男が石柱に向かって放尿するしぐさをしたり、「Toilet(便所)」と落書きをしたりする様子が映っている。中国の複数のSNSで転載されて広まった。

 中国メディアによると、男はTikTokの中国国内版「抖音(トウイン)」などで、「勧善懲悪」と称し偽造品を告発するなどしていた。日本でいえば「世直し系」と呼ばれるジャンルだ。ただ、過去の自身の犯罪行為を暴露するなど過激な言動には否定的な意見も多く、通報を受けて1月に複数のSNSのアカウントが閉鎖されていた。

 3日には、男が中国に帰国したことを報告する動画が拡散。「微博(ウェイボー)」では、事件についてのハッシュタグが一時トレンド1位になった。6日時点で、ハッシュタグがついた投稿のPVは2億を超えている。

PV目当ての「流量病」 取り締まりも

 中国では、愛国心を強調するコンテンツの人気が高い。中国でPVを意味する「流量」を使って、「愛国流量」とも呼ばれ、確実にPVを見込めるコンテンツでもある。

 ある視聴者はコメント欄に「この流量は彼を生き返らせる」と書き込んだ。落書きをしたとみられる男の行為を称賛するコメントも一定数あったが、「愛国感情を利用しているだけだ」との批判も多かった。

 PVに応じて収入が得られることから、収益目的の「迷惑系」の投稿者が問題になっているのは中国も例外ではない。日本ではビューを稼ぐために無意味な投稿をする「インプレゾンビ」が問題視されているが、中国ではPVを稼ぐためのなりふり構わない行為を指す「流量病」という言葉が生まれ、社会問題になっている。

 国営メディアや当局も、過激な動画投稿をやり玉にあげ、警鐘を鳴らし始めた。

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