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唐十郎作「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」に出演する中村勘九郎

唐十郎作「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」

 歌舞伎俳優の中村勘九郎が今月、新宿梁山泊の公演でテント芝居にデビューする。劇団代表の金守珍は、父の十八代目中村勘三郎も憧れた唐十郎の「紅テント」の出身。今回は、唐作「おちょこの傘持つメリー・ポピンズ」(金演出)で、主人公の青年おちょこを演じる。「まさか、ここに立てるとは思っていなかった。始まったらあっという間だと思うので、楽しみたい」と語る。

 父・勘三郎が唐十郎のテント芝居を見たのは、まだ勘九郎を名乗っていた20歳前後の頃だった。

 1977年に東京・青山米軍キャンプ横で、唐が当時主宰していた状況劇場が上演した「蛇姫様」を見た時の興奮を、勘三郎は後に著書でこう記している。

 「コンクリートの花道があって、ホントの水使った水入りがあって宙乗りがある。そしてなんと、いまの唐組もそうなんだけど、掛け声が掛かるんだよ!(中略)なぁんだよ、これは歌舞伎じゃねぇか、コンチクショウって思ったの」(「歌舞伎ッタ!」)

 「父はよく、『芝の上に居る…

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