創業以来、およそ20種類の「発明品」を世に送り出してきた織物工場が石川県小松市にある。ところが、主力商品の衣類用タグとは無関係の商品ばかり。2代目社長が原点に立ち返り、乾坤一擲(けんこんいってき)の思いで放った発明品が、にわかに注目を集めている。
1960年創業の中川産業は、従業員50人の中小企業。創業以来、衣類のタグやネーム刺繡(ししゅう)を得意とし、堅調に事業を展開してきた。
ただ、良くも悪くも世間の耳目を集めた商品は本業とは無縁のものばかりだった。
2018年に就任した2代目の中川善勝さん(53)は「創業者の父はアイデアが豊富だった。それゆえにいろいろな人から様々な頼まれごとをされ、その都度、個性的な品々を手がけてきた」と苦笑する。
得られた名誉、伴わない売り上げ
父、善光さん(88)の生き…