中国共産党の党員数が2023年末で9918.5万人に上ると同党が30日に発表し、1億人に到達する目前となりました。中国はすでに人口減少社会に入っているにもかかわらず、党員数は今後も増え続けるのでしょうか。党員数が増えたり構成が変化したりしたら、共産党のあり方や今後の社会情勢にどのような影響を与えるのでしょうか。党員構成の変遷に詳しい大東文化大東洋研究所の鈴木隆教授(中国政治)に聞きました。
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――中国共産党員は、国内ではどのような存在で、どのように選ばれるのでしょうか。
中国共産党の党員数は中国の人口全体で言うと100人中7人ぐらいにしかなりません。共産党自体が中国の重要な意思決定を独占していることからみると、この共産党員たちが中国の政治そのものをつかさどっていると言えると思います。
ですので、中国の中で見ると、政治、経済、社会のエリートであることは間違いありません。ただ、絶対数で見ると22年末時点の党員数でも、21年のベトナムの総人口に匹敵する大きな規模であり、その中でさらに相当熾烈(しれつ)な競争があります。党員資格というのは、中国でエリートの競争レースに参加するための運転免許証のようなものという感じでしょうか。
共産党員になるには、入党を申請してから、1年以上にわたり、教育、研修、審査などが行われます。入党に際しては推薦者が必要で、推薦してもらうには、学生であれば成績優秀、社会人であれば組織の中核的なポジションにいることなどが必要です。能力的にも人格的にも非常に優れた人が推薦されるわけで、誰でも申請できるわけではありませんし、申請したからといってすぐに入れるわけでもありません。
――中国共産党の結党以来、党員はどのように増えてきたのでしょうか。
共産党員の党員数は1921年の結党当初の50人余りから一貫して右肩上がりで増えてきました。49年の建国以前は、基本的には農民ゲリラの政党でした。農村を根拠地として党勢を発展させてきましたから、党員も農民を中心とするものでした。
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