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築館―仙台工 五回、二塁に送球する仙台工の鈴木響介主将=2024年7月9日午前11時4分、石巻市民、岸めぐみ撮影
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 (9日、第106回全国高校野球選手権宮城大会1回戦、築館1―6仙台工)

 「一つずついこう」

 仙台工の遊撃手、鈴木響介主将はチームメートに声をかけ、誰よりも腰を低く落とし、守備態勢に入る。五回は雨が降りしきるなか、打球を立て続けにさばき、相手の攻撃を断ち切った。

 「とにかく自分が一番声を出そう」と決めて試合に臨んだ。仙台工の選手は3年9人、1、2年各1人の11人。ランナーコーチもスターティングメンバーが交代で担う。「ここ集中」「牽制(けんせい)注意」守備でもランナーコーチでも鈴木主将はチームメートに声をかけ続ける。

 昨秋の県大会地区予選はエラーによる失点で敗退し、投手を勝たせることができなかった。「ディフェンスでやることやればしっかり結果がついてくる」という監督の言葉を胸に、チーム全員で守備を鍛えた。

 雨が降りしきる試合で、エラーは一つ。練習の成果が悪天候下での夏の勝利につながった。

 試合後、曇り空の下、すがすがしさとうれしさで胸いっぱいの中、校歌を歌った。

 3年生が抜けると単独チームで公式戦出場はできない。完投勝利した米沢柊希(しゅうき)投手は「自分たちの代でしっかり結果を残して次の代が入ってくれるよう頑張りたい」と意気込む。(岸めぐみ)

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