今年の中小零細企業の賃金は前年より2.3%上がり、比較可能な2002年以降で3年連続で過去最高となった。厚生労働省が10日、今年度の最低賃金(時給)の改定を議論する審議会に参考資料として示した。大企業以外にも賃上げが広がっており、最低賃金の引き上げ幅を押し上げる材料になりそうだ。
- 春闘効果、社会全体への波及は見通せず 大手と中小の格差も拡大
厚労省は従業員30人未満の1万6373社を抽出して調査し、5149社から回答を得た(回答率31.4%)。1人あたりの今年6月の賃金を前年6月と比べ、上昇率を調べた。
全体の賃金上昇率は過去最高の2.3%で、1時間あたりの賃金の平均は1488円となった。就業形態別ではフルタイムの一般労働者が2.1%、パート労働者は2.8%上がった。業種別では、コロナ禍で落ち込んだ業績の回復が進む宿泊・飲食サービス業が2.8%と大きく伸びた。
都道府県のランク別で「逆転現象」
審議会は、経済情勢に応じて…