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イタリアの高級車メーカー、フェラーリの新型車「12 Cilindri(ドーディチ チリンドリ)」=2024年6月11日、東京都内、西山明宏撮影
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 約50年前に子どもたちの間でブームとなったフェラーリなどのスーパーカーがここ数年、バブル期以上に売れている。軽自動車が売れ筋のトップになり、好景気だとは言えない令和の日本で、スーパーカーが売れるのはなぜなのか。

 6月中旬、虎ノ門ヒルズ。皇居を見下ろす高層階のフロアでお披露目されたのが、イタリアの高級車メーカー、フェラーリの新型車「12 Cilindri(ドーディチ チリンドリ)」だ。イタリア語で「12気筒」を意味し、フェラーリの象徴であるエンジンの性能にちなんだ。世界で電気自動車への注目が高まる中、フェラーリの伝統であるエンジン音を流すプレゼンテーションが印象的だった。

 価格は5674万円からと、まさにスーパーカーなお値段。来日した同社の幹部は「日本はフェラーリにとって世界でトップ5に入る重要な市場だ」と述べ、イノベーションやデザイン、職人の技といった「共通した文化によってフェラーリと日本は深くつながっている」と話す。

 日本自動車輸入組合によると、日本でのフェラーリの新車販売台数は1979年の45台から95年には644台にまで膨らんだ。そこから伸び悩んだが、この10年間で急増した。2014年の561台から23年は1395台と、2.5倍に伸びた。同社によると、一部のリピーターばかりというわけではなく、初めて購入する人が約4割に上っているという。

 伸びているのはフェラーリだけではない。同じくイタリアの高級車メーカー、ランボルギーニの新車販売台数は14年の187台から23年は628台に増えた。英マクラーレンも19年には353台と過去最高を記録。23年も177台で、14年の88台に比べると2倍の水準だ。

ランボルギーニもマクラーレンも

 スーパーカー事情に詳しいレ…

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