全日本吹奏楽コンクールに次ぐ11地域の「支部大会」で昨年、最も多くの中学・高校が自由曲に選んだのは、作曲家・樽屋雅徳さん(46)の作品だった。
10校が選んだ「マードックからの最後の手紙」など、数々の名曲はどのようにして生み出されたのか。千葉県銚子市に住む樽屋さんの元を訪ね、聞いた。
- 中学・高校に最も選ばれた吹奏楽曲は 昨年のコンクール800校集計
「自称作曲家」だった日々を経て
――昨年の全国各地の支部大会の自由曲で、最も多くの学校に選ばれていました
びっくりです。各地のコンクールの会場に出かけることは少ないため、実感があまりなく、周りの人たちから「今年もたくさん演奏されているね」と聞いて喜んでいました。今回、このようなお話を聞いて、大変ありがたく感じています。
中学、高校の吹奏楽部で練習を重ねた「あのときの自由曲」は、青春の一ページとして心に深く刻まれるもの。成人式でも、同窓会でも、懐かしい仲間が集えば、何年経っても口ずさめるような音楽を創作できるよう、日々精進しています。
――作曲家の道を選んだのはなぜですか
中学、高校では吹奏楽部でサックスを担当していました。市立銚子高校で、恩師である作曲家の佐藤博先生に出会いました。
先生に憧れて武蔵野音楽大学の作曲科をめざすようになり、入試に向けて和声法などを毎日のように指導していただきました。
武蔵野音大に進学した後も…