鉄鋼大手の日本製鉄は21日、米大手USスチールの買収に向け、米トランプ前政権で国務長官を務めたポンペオ氏を助言役に起用したことを明らかにした。11月の米大統領選に絡んで政治問題化している買収計画を進める狙い。
日本製鉄はポンペオ氏について「(共和党と民主党の)両陣営から尊敬されている。米国が現在直面している地政学上および安全保障上の課題について他に類をみない洞察力を持っている」とコメント。「米国の経済と国家安全保障をより強くしていくために、ポンペオ氏と共に連携して対応していく」としている。
買収には全米鉄鋼労働組合(USW)が反対。米大統領選を11月に控えるバイデン大統領とトランプ前大統領が労組票の取り込みを競っている。日本製鉄は年末までの買収完了をめざしている。(山本精作)