イスラエルのネタニヤフ首相は、昨年10月にパレスチナ自治区ガザでの戦闘が始まって以来、初の外遊先に最大の支援国である米国を選んだ。大統領選を控えた米国の政治状況に配慮するバランス感覚が試されたが、24日の米議会演説は米国内の党派対立を際立たせる格好となった。
今回の訪問は、暗殺未遂に遭ったトランプ前大統領が共和党候補に決まり、バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明してハリス副大統領を後継指名する米国政治の歴史的な急展開と重なった。大統領選の行方は見通せず、イスラエル外務省幹部は朝日新聞の取材に、「どちらかに強く肩入れしていると受け取られることにメリットはない」と見通しを語っていた。
両党に配慮も「恥を知れ」と敵意みせる
ネタニヤフ氏は演説で、国際社会から批判されてもイスラエル支持を貫いてきたバイデン大統領の「心のこもった支援」に感謝した。一方で、イスラエルと長年敵対してきたアラブ諸国の一部との関係正常化を主導したトランプ前大統領にも謝意を示した。
民主、共和両党に配慮をみせ…