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 宮沢喜一元首相(1919~2007)の40年間に及ぶ政治行動が記された「宮沢喜一日録」。他の文献や存命者の証言と重ねることで、政策通で知られる宮沢氏の隠れた一面や現在への教訓が浮かび上がる。与野党の思惑が入り乱れる国会で、衆院事務局幹部として、宮沢氏はじめ様々な政治家の知恵袋となった平野貞夫元参院議員に聞いた。

  • 宮沢喜一日録 戦後政治の軌跡
写真・図版
取材に応じる平野貞夫氏=2024年6月、千葉県柏市の自宅

 日録では、秘書が記した日程の脇に、時折宮沢氏の書き込みがある。平野氏の名が現れる政局の節目は、1986年の中曽根康弘首相による「死んだふり解散」だ。

 この年、中曽根氏は自民党総裁としての秋の任期切れを前に、夏の参院選と同日で衆院選をすべく衆院解散を模索。前年の最高裁違憲判決を受けた衆院定数是正のための法改正がハードルだった。

 衆参同日選は中曽根内閣の延…

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