特集「8がけ社会」 韓国編⑥
世界でも異例の「超少子化」や働き手の不足に直面する韓国。2022年に発足した尹錫悦(ユンソンニョル)政権のもとで外国人労働者の受け入れ枠を大きく増やし、地方などに外国人を呼び込む新しいビザ制度の導入なども進めています。現状や課題について、韓国移民政策学会の会長も務めた文丙基(ムンビョンギ)・韓国放送通信大教授に聞きました。
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――韓国政府が外国人労働者の受け入れを拡大しています。どう評価しますか。
韓国の社会的、経済的な状況を全般的にみてみれば、外国人を積極的に受け入れ、足りない労働力を補完することは明らかに必要だと言えます。
いま韓国は、外国人の労働力なしには生産活動や経済の運営が不可能な国になっています。まだ人口自体は増え続けていたころからすでに、「仕事がきつい」と韓国人に敬遠されがちな業種を中心に、労働力は不足していました。そこで20年ほど前から、外国人に5年ほど働いてもらい、その後は自国に戻ってもらうといった政策が本格的に始まったのです。
【連載】「移民」争奪戦 韓国のリアル
「超少子化」に直面する韓国が外国人の働き手を増やそうとしています。日本とも共通する課題に取り組む現場の今を探ろうと2人の記者が取材に向かいました。人口減を考える連載「8がけ社会」の韓国編でもあります。
――政府が管理して企業が必要とする外国人労働者を受け入れる「雇用許可制」ですね。
そうですね。ただ、受け入れ…