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小林製薬大阪工場=2024年3月、大阪市淀川区、筋野健太撮影
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 小林製薬の紅麴(こうじ)原料を購入した企業が苦境に陥っている。原料は少なくとも173事業所に流通。原因が不明なため自主回収の対象は幅広くしなければならず、経営への影響も見通せない。それでも同社からの情報提供は不十分といい、「顧客に説明したいのに、報道以上のことが分からない」と不満が高まる。

 「紅麴そのものに悪いイメージがついた。もう紅麴を使った製品はつくれないかもしれない」

 沖縄県の「海洋食品」の営業責任者は、そう嘆く。手がけていたのは「東洋のチーズ」と言われる「豆腐よう」。豆腐を紅麴などで発酵させて作られる沖縄の伝統食だ。

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 同社では小林製薬の紅麴原料を使っていたため、3月25日から返品などに応じてきた。白麴など別の原料を使う製品の開発も急ぐが、「製造には最低3~4カ月かかる」と苦しい状況が続く。

取引企業は最大3.3万社に

 小林製薬が3月22日に問題を公表してから2週間がたち、影響は各所に広がってきた。

 小林製薬が直接、紅麴原料を…

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