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祖父母から孫への「教育資金の贈与」の仕組みを案内する文部科学省のウェブサイト
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 お金がかかっても子どもにはいい教育を受けさせたい――。そう考える親は多いはず。ただ高校、大学と進学するにつれて教育費はかさむ一方、50代ともなれば親の給料も上がりにくくなります。そこで親の親、子どもにとっては「祖父母のスネ」を頼るケースが、税制の後押しもあって増えているようです。

 「恥ずかしながら、この年齢で親のスネをかじることになるとは思わなかった。でも、本当に助かりました」

 横浜市の男性(53)はそう話す。機械メーカーに勤め、年収は約800万円という。

 今春、長女が都内の私立大学に入学した。第一志望に合格し、うれしい半面、負担の大きさにたじろいだ。入学金や授業料など1学年目に納める学費は約140万円。2学年目以降も毎年120万円超の支払いが、卒業までのしかかることになった。

 長男は公立の中学3年生。今年から高校受験の学習塾に通い始め、その費用が年間70万円ほど。それとは別にサッカークラブの月謝や合宿代で年50万円近くが出ていく。

 妻は週2日、派遣社員として働き、収入を補ってくれているが、住宅ローンもまだ千万円単位で残る。自家用車を手放し、カーシェアに切り替えたが、その程度の節約では生活に余裕は生まれなくなった。

 「ここへきて、一気に家計が苦しくなった」

人生でもっとも家計が苦しくなる時期といわれる50代。中でも支出が大きい教育費をまかなう「三つの贈与」とは

 そこで頼ったのが、子どもた…

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