鳥取県米子市で6月、70代の女性が認知症を発症し、誰にも気付かれないまま10日あまりも電気が止められた自宅で孤立するという出来事があった。女性は立ち上がれないほど衰弱していた。
米子市内の女性(47)が、市内で一人暮らしをしている70代の伯母の家を訪ねたのは、6月下旬のことだった。
伯母の家の電話がつながらず、心配した父親から様子を見に行くように頼まれた。夜だったがすぐに伯母の家に向かった。
外から見ると家は真っ暗で、もう寝ているのかと思った。玄関に鍵はかかっておらず、「おばさん?」と声をかけると、「はぁい」と、いつもと変わらぬ返事がした。
玄関のあかりをつけようとスイッチを入れたが、つかない。暗がりのなか、いつも伯母がいる玄関脇の和室に入ると、伯母は畳に足を伸ばして座っていた。
自分で立ち上がることもできない状態で、急いで病院に連れて行った。結局、伯母は入院。認知症の一つ、アルツハイマー病と診断された。
一人暮らしの伯母は、人に頼らず、「困ったことはないよ」というのが口癖だった。病院嫌いで介護認定も受けていなかったという。3月に外で会っていたが、異変は感じなかった。
しかし片付けのため伯母の家…