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記者団の取材に応じる立憲民主党の斎藤嘉隆・参院国会対策委員長=2024年4月5日午前11時22分、国会、伊沢健司撮影

 自民党は5日、岸田文雄首相(党総裁)が安倍派幹部を聴取した結果を、参院予算委員会の理事懇談会に報告した。報告は、A4用紙1枚。安倍晋三元首相の死後に裏金作りが再開した経緯は依然として分からず、実態解明につながる新たな事実はなかった。

 報告書によると、聞き取りは、首相と茂木敏充幹事長、森山裕総務会長が3月26、27日におこなった。対象は、塩谷立元文部科学相(衆院比例東海)と下村博文元文科相(衆院東京11区)、西村康稔前経済産業相(衆院兵庫9区)、世耕弘成前党参院幹事長(和歌山選挙区)の4人。2022年8月の会合で還流の扱いについて話し合われたのは事実だと改めて認定した。ただ、「明確な結論は出ず、この日の会合では還付(還流)をやめる方針は変わらなかったというのが4人の認識」とし、「結果的には継続された」と記載。再開が決まった経緯は判明しなかった。

 首相が4日に明かした元派閥会長の森喜朗元首相への聴取については触れられていなかった。還流が始まった経緯については「明確にはわからないが、相当以前から行われたとの話があった」とした。

 立憲民主党の斎藤嘉隆・参院国会対策委員長は調査結果について「極めて不十分だ」と批判。そのうえで「何も解明されていないのに処分に至った。何を基準に処分したのかという議論に当然なる」と述べた。(伊沢健司)

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