ユダヤ人ら約110万人が虐殺されたナチス・ドイツの「アウシュビッツ強制収容所」。1979年にユネスコの世界遺産に登録され、世界中の人々が訪れますが、14歳未満の入場は推奨されていません。子どもが戦争の歴史を知ることについて、どう考えたらいいのか。強制収容所内にある博物館で、20年以上ガイドを務める中谷剛さんに話を聞きました。
14歳未満は推奨せずと事前にお知らせ
――日本人で唯一のガイドとして、日本人の見学者を案内しています。子ども連れでの見学者は少ないのでしょうか?
そんなことはありません。
仕事で駐在員としてヨーロッパに住む方が、滞在している間に博物館を訪れたいということで、子どもと一緒でもよいかと相談を受けることがよくあります。
博物館として14歳未満の子どもの入館は推奨していないことは、前もってお知らせしています。
展示の中で、強制収容された人から刈り取った髪の毛などショックが大きいと思われるものを見学するときは、事前に、別のところで待っていてもよいことなどを伝えています。
――なぜ14歳なのだと思いますか。
ポーランドで第2次大戦について学ぶのは
幼い子どもたちにショックを…