150キロ前後の豪速球が武器の好投手や、低反発バットをものともしない強打者。100周年を迎えた甲子園に集まった注目選手たちを紹介する。
- 49代表が演じる夏のドラマの行方は… 甲子園、担当記者が分析
新基準の低反発バットで初めての夏の甲子園を迎える。鋭いスイングが魅力の強打者たちがそろった。
春夏連覇を狙う健大高崎で主将の箱山遥人は4番で捕手。群馬大会準決勝では、打った瞬間に本塁打とわかる左越えの特大アーチを放った。打率5割6分3厘、2本塁打、チーム最多の12打点。まさに大黒柱だ。
大阪桐蔭の境亮陽(りょうや)は、パワーとスピードを併せ持つ外野手。身体能力が高く、遠投100メートルで、50メートル走は5・8秒。大阪大会では1番や3番を打ち、打率は4割を超えた。春の選抜大会でランニング本塁打を放つなど、プレーに華がある。
境と同様に選抜で本塁打を放った神村学園(鹿児島)の正林輝大は、柵越えの一発だった。芯に当てるのがうまく、鋭いライナー性の打球が持ち味。下級生から4番を打ち、昨夏4強入りした全国選手権では打率4割3分5厘と、打線を引っ張った。
高校通算60本塁打と、目を見張る数字を持つのは関東第一(東東京)の高橋徹平だ。フルスイングしなくても、遠くまで打球を飛ばせるアーティストタイプ。選抜で経験した広い甲子園で、自身の記録を伸ばしたい。
青森山田の原田純希(あつき)はツボにはまると止められない。身長170センチ、体重97キロのがっちりした体格から、青森大会準々決勝で2本塁打を放った。次の準決勝では2打席連続で申告敬遠された。
内野の花形とされる遊撃手にも楽しみな選手が多い。
通算60発以上を誇る早稲田実の宇野真仁朗は木製バットを使って西東京大会に臨んだ。打率こそ2割7分3厘と調子が上がらなかったが、2試合連続で本塁打をマーク。パンチ力は世代屈指だ。
花咲徳栄の石塚裕惺はチャンスに強い。埼玉大会では広角に打ち分け、チーム最多の12安打、11打点。バットコントロールが巧みで、7試合で三振を一つもしなかった。
滋賀学園の岩井天史(てんすけ)は身長184センチとスケールが大きい。1年生から試合に出場し、今夏の滋賀大会は打率4割7分4厘を残した。肩が強く、マウンドに上がれば最速145キロを投げる。
ほかに島根大会で打率6割6分7厘、12盗塁を決めた大社の1番中堅手の藤原佑や、ともに打率4割を超える明豊(大分)の木村留偉、高木真心(しん)の1、2番コンビなど俊足の選手たちも注目だ。(室田賢)