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行進の練習をする式典誘導係の生徒ら=2024年8月1日、兵庫県西宮市立西宮高校、滝沢美穂子撮影
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 7日に開幕する第106回全国高校野球選手権大会で、49代表の選手らの入場行進をプラカードで先導する高校生たちがいる。指導にあたるのは、かつて五輪をめざしたシンクロナイズド・スイミングの元日本代表。「同調(シンクロ)の美」で開会式を彩る。

 阪神甲子園球場がある兵庫県西宮市。1日、伝統の白い帽子をかぶった生徒たちが市立西宮高校の校庭に集まった。49代表の選手たちを先導する「式典誘導係」の練習会だ。

 夏の甲子園の誘導係は毎年、市西宮の生徒が担当する。今年の選考会には118人が応募し、補欠を含めて67人が選ばれた。プラカードに見立てた竹の棒を掲げて入場行進の練習を繰り返す。

 「下を向かない。帽子のつばが動くと目立つよ」「リズム外れてる! 選手はあんたらに合わせて行進するんやで」

 指導する青石尚子(ひさこ)教諭(55)の声が飛ぶ。かつて五輪をめざした市西宮の体育教師だ。

 市内出身で、中学3年でシンクロナイズド・スイミング(現・アーティスティックスイミング)の日本代表に選ばれた。1986年と91年の水泳世界選手権・チームで銅メダルを獲得。89~91年の日本選手権・デュエットで3連覇を果たした。

 小谷実可子さんに続く一人として92年のバルセロナ五輪での活躍も期待されたが、直前に調子を落とし、出場はかなわなかった。その夏に現役を退き、大学卒業後に教職の道へ進んだ。

 誘導係に携わることになったのは偶然だ。97年に同校に赴任すると、歴代の体育教師が指導を担当しており、バトンを渡された。生徒やOGらの入場行進にかける熱量を知り、「逃げ出せなくなった」。この夏で28年目になる。(真常法彦)

私たちの青春でした

 「ええか、70年以上続いて…

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