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【動画】連載「道後で生きる」テーマ動画

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草間彌生さんがデザインした客室=2013年12月20日、松山市の宝荘ホテル
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 松山市の道後温泉では、市が運営する木造の公衆浴場で国の重要文化財「道後温泉本館」が、改築120周年を迎えた2014年から毎年、アートのイベントが開かれてきた。

 130周年の今年は、7月11日に本館が保存修理工事をほぼ終え、市は5年半ぶりに全館で営業を再開した。

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 同じころ、21年10月から道後温泉別館・飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)の中庭全体を極彩色の花の写真で埋め尽くし、SNSで「映(ば)える」スポットとして人気だった写真家・蜷川実花さんの作品が、役割を終えた。

 道後商店街でもアートが姿を消した。23年4月から、アーケードにつり下げられた長さ約2メートルの細長い100色の紙の束が、色彩のグラデーションを描きながら風を受けて静かに揺れ、人々の目を楽しませてきた。

 こうしたアート事業を地元で引っ張ってきたのが、ブランディングやデザインなどさまざまなクリエーティブ活動を手がける会社「NINO」(松山市)代表の二宮敏さん(42)だ。

 二宮さんは愛媛県西予市で生まれ育ち、大阪市で建築デザインを学んだ後、松山市のデザイン会社で働いていた。東京からの仕事がほとんどだった。「もっと地域のことをやってみたい」。2013年、独立してNINOを起業。社員はいなかった。

「道後でアート? 何になるんや」

 「始まり」の仕事が、道後ア…

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