闇に包まれた川面をカンテラが照らし出す。鵜匠(うしょう)が川上に歩を進めながら操る手綱の先で、鵜が川底に何度も潜り、水しぶきを上げる。たぐり寄せて、鵜が捕らえたアユを魚籠(びく)にはき出させると、川岸の観客から拍手がわき起こった。
笛吹川では、鵜匠が船に乗らず、川の中を歩きながら魚をとる「徒歩鵜(かちう)」が伝統的に行われてきた。山梨県笛吹市によると、その歴史は800年以上。現在鵜飼いが行われている全国十数カ所でここだけだという。
保存会が実演、魚を捕るコツを伝授
伝統の徒歩鵜が観光イベント…