国内の電機大手がDXなどのデジタル関連の事業やサービスをブランド化する動きが広がっている。三菱電機は「Serendie(セレンディ)」、NECなら「BluStellar(ブルーステラ)」など、各社ともブランド名に造語をあてて社内外にPRする。背景には電機各社が進めてきた事業構造の転換がある。
鉄道と電力という部門の壁を越えて、電車がブレーキをかけた時に発生するエネルギーを、駅設備の電力などに転用する新たなシステムをつくりあげる――。
こうした、部門を越えた取り組みに向けて、三菱電機は5月、デジタル技術を活用するための共通基盤(プラットフォーム)として「セレンディ」を立ち上げた。社内のさまざまな事業のデータを集約し、部門横断型の新事業を生むのが目的だ。
例えば、鉄道と電力は別々の事業部が担当し、これまでは関連データも別々に管理していた。セレンディによるデータ管理の一元化で相互の連携が進み、新サービスの考案につながった。
武田聡常務は「顧客の課題がドメイン(事業領域)を越えて顕在化してきた」と市場の変化が背景にあるとする。関連する事業売上高の集計を、2030年度までに1兆1千億円にする目標を掲げる。
21年以降、同社では品質をめぐる不正が相次いで判明。背景に「縦割り」の社内風土があると指摘された。セレンディは組織の壁を「壊していく」(武田氏)という改革の一環でもある。ブランドを打ち出して社内への浸透を図っている。
2日連続で新ブランド誕生
三菱電機がセレンディを発表…