イスラエルのネタニヤフ政権は、飢餓の危機が迫るパレスチナ自治区ガザへの物資の搬入ルートを拡大することを決めた。ガザの人道状況に懸念を深めるバイデン米大統領が4日の首脳電話協議で、今後の政策変更の可能性にまで踏み込んだことを受け、ネタニヤフ首相も対応をとらざるを得なくなった。
昨年10月にイスラム組織ハマスの奇襲を受け、ガザに軍事侵攻したイスラエルは封鎖を強化。ガザ南部のエジプトと境界を接するラファ検問所と、近くのケレムシャローム検問所が搬入路となってきたが、イスラエル側の厳しい検査などにより、検問所を通過するトラックの量は限られている。
イスラエル政府の決定を受けた米政府の発表などによると、イスラエルは昨年10月から閉鎖してきたガザ北部のエレズ検問所を初めて開放する。地中海に面したイスラエルのアシュドッド港も海路の入り口として使う。隣国ヨルダンからガザへの直接の搬入量も大幅に増やすという。食料不足が深刻になっている北部地域の人道状況の改善につながるかが焦点だ。
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