今夏は、夕方から激しい雨や落雷に見舞われる日が目立つ。スマートフォンを使い「雨雲レーダー」で雲の動きをチェックする人が多いだろうが、過信は禁物。この時期は急発達する雨雲が多く、予測通りにならないケースが少なくないためだ。熊谷地方気象台の観測予報管理官・古田雅和さんに、この時期の雨雲の状況や注意点を聞いた。
――雨雲レーダーで3時間先の予想を確認したら、雨が降らないはずだったのにザーザー降り……。こんな経験がある
「予想」は過信しない
古田 特に、この時期の雨雲の急発達は予想できない場合があります。予想を過信せず、レーダーをこまめにチェックしてください。
――数時間してレーダーをチェックすると、雲がなかったエリアに真っ赤な雨量の多い雨雲が現れていることがある。それも平地で
古田 雨雲の発生・発達は山地に限りません。関東平野は広いので、その時の気圧配置によって、同時に様々な方向から風が吹くことがあります。それらの風がぶつかり合うところに湿った空気が流入し、空気は強制的に上昇し、積乱雲が発生・発達します。こうした雨雲の急速な発達は、平地でも普通に見られます。
――雨雲レーダーで雲の動きの予測を見ていると、埼玉県内でもいろいろな方角に動いている。これはどうして?
■雨雲の動き方もさまざま…