海上自衛隊練習艦隊の実習幹部らが今年5月、靖国神社(東京・九段)の「遊就館」を研修の一環として集団で見学していたことがわかった。これまでも自衛隊幹部が部下と一緒に靖国神社を集団参拝した事実が判明。太平洋戦争などの戦死者をまつって旧軍との関係が深い靖国神社と、旧軍組織と決別したはずの自衛隊との密接な関わりが相次いで明らかになっている。
靖国神社はかつて軍国主義の精神的支柱だった国家神道の中心的施設であり、遊就館は同神社の展示施設。太平洋戦争を「大東亜戦争」と表現し、戦争末期の「特攻」を「わが国古来の霊魂不滅の死生観と武士道精神に支えられ、国家、民族の存亡の危機に際して表出した壮絶な戦法」と説明している。
海上幕僚監部は朝日新聞の取材に対し、練習艦隊の実習幹部らについて「5月10日(金)に遊就館を研修した」と回答した。この研修は、幹部候補生学校の課程を卒業した実習幹部ら約200人が参加する近海練習航海の一環として行われたという。遊就館での研修参加人数については「確認に時間がかかる」(海幕)として明らかにしていない。
練習艦隊は将来の指揮官とな…