第106回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催)に出場している智弁学園は14日、2回戦で春の選抜大会で優勝した健大高崎(群馬)と対戦し、2―1で勝利した。3回戦進出は2年連続。次戦は第11日(17日)の第1試合で、大阪桐蔭を破った小松大谷(石川)とベスト8をかけて戦う。プレーボールは午前8時の予定。
制球完璧 主軸ねじ伏せた
智弁学園のエース田近楓雅(3年)が、春の王者・健大高崎の強力打線を相手に、109球の完投勝利をあげた。見せつけたのは、与四死球ゼロという圧倒的な制球力と、自身も「ほとんど完璧に近かった」と評したチェンジアップ。奪った三振は10を数えた。
とりわけ集中したのは、4番の箱山遥人(3年)への投球。「絶対、打たせたらあかん」。そう思いながら、自信のある変化球を投げ続けた。初回を空振り三振に切って取ると、その後も安打を許さなかった。
八回裏2死二塁のピンチに4度目の対決。初球を振り抜かれ、打球は左翼へ。長打かと思われたフェンス際への大飛球を、左翼手の中道優斗(2年)が好捕した。田近はベンチに戻ってくる中道を抱きしめてたたえた。
打撃も光った。1点を追う二回表、中前にしぶとく運ぶ適時打で同点に。相手に流れを渡さなかった。
「簡単には抑えさせてくれないし、変化球も食らいついてくるところが、春に日本一になったチームだと感じた。本当にいい経験ができた」と振り返る。だが、そこに油断も慢心もない。「まだ二つ目の相手に勝っただけ。次は三つ目の相手です」(佐藤道隆)
流れ戻した 勝ち越し打
初戦で5安打と大暴れした智…