和歌山県白浜町は、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を初めて発表したことを受けて閉鎖していた4カ所の海水浴場を15日朝から、再開させた。
再開の時間は午前9時とされていたが、人気の白良浜では浜辺に入るゲートが未明に開放されたこともあり、早朝から次々と海水浴客らが訪れた。午前中には、波打ち際にテントやパラソルでびっしりと並んだ。
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宇都宮市の女性(63)は、夫(37)と一緒に13日に白浜に来た。海水浴場の閉鎖について「町が決めたことなので仕方がないと思う。ただ『自己責任』と告知して、覚悟して泳いでもらうというやり方もあったのでは」。
白浜での滞在は15日までの予定だったといい、「最後に海に入ることができてよかった。最初はがっかりしたけど、海にいけない日に三段壁や千畳敷など近くの観光地をじっくり回ることができた」と話した。
白浜町は、臨時情報の解除が発表される前の再開について「気象庁のこれまでの情報などを考慮した」としている。
再開にあたって、避難経路を記した案内図を掲示し、地震が発生した時にはライフセーバーが赤と白の津波フラッグを持って遊泳客を誘導するとの場内放送を流すなどの対応をとった。
この日午前には、白良浜で大江康弘町長や町職員らが白良浜で避難経路を記したチラシを観光客らに配って歩いた。
大江町長は「いろんな呼びかけをしながら、観光客のみなさまに安心、安全をということをお伝えをして、楽しんでもらいたい」と話した。
また、町内の観光業などに大きな影響が出ているとして、21日に東京へ行って国の関係機関などに支援を訴えるとした。町内の関係団体とも相談し、町としての補助なども検討していくという。(勝部真一)