8日に発表され、15日に呼びかけが終了した「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、和歌山県内にさまざまな影響をもたらした。
9日に閉鎖となり、15日朝に再開された白浜町の白良浜の海水浴場。早朝から次々と海水浴客らが訪れ、午前中には波打ち際にテントやパラソルがびっしりと並んだ。
町は再開にあたり、避難経路を記した案内図を掲示。地震が発生した時にはライフセーバーが赤と白の津波フラッグを持って遊泳客を誘導するとの場内放送を流すなどの対応もとった。
この日午前には、大江康弘町長らが避難経路を記したチラシを配って歩き、「観光客のみなさまに安心、安全をお伝えして楽しんでもらいたい」と話した。
今回の臨時情報は、県内の観光業に大きな影響を与えた。
10日に開催される予定だった「南紀白浜花火フェスタ」は中止に。主催する南紀白浜観光協会の事務局によると、届いた意見は「賛否が半々くらい」。9月以降に代替のイベントを検討しているという。
「注意」の発表後、JRでは紀伊半島南部を走る特急列車「くろしお」と「南紀」が運休となった。
15日早朝、JR新宮駅の北側にある新宮第一踏切は、普段なら特急の始発列車が引き込み線を出てホームに入るため、ひっきりなしに遮断機が降りるが、動きが少なかった。駅改札口には「通常運転は16日の始発から」との知らせが出されていた。
特急が乗り入れる新宮市や那…