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中国外務省の林剣副報道局長=2024年3月、北京、畑宗太郎撮影

 「終戦の日」の15日、木原稔防衛相は東京・九段北の靖国神社に参拝した。靖国神社には、極東国際軍事裁判(東京裁判)で「A級戦犯」とされた14人が合祀(ごうし)されており、中国や韓国は閣僚らの参拝を問題視してきた。

 中国メディアは15日、日本の報道を引用する形で岸田文雄首相が玉串料を奉納したことや木原氏ら現職閣僚が参拝したことを伝えた。

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 中国外務省の林剣副報道局長は15日夜、記者の質問に答える形で談話を発表。靖国神社を「日本の軍国主義が対外侵略戦争を始めた際の精神的な道具で象徴」とした上で、要人の参拝などを「歴史問題に対する日本側の誤った態度を改めて反映したもの」と批判し、日本側に申し入れをしたと述べた。

 また、国営新華社通信がこの日に合わせて配信した論評は、海上自衛隊練習艦隊の実習幹部らが集団で靖国神社に参拝していたと明らかになったことなどを挙げ、「誤った歴史観が自衛隊に深く浸透していることを示している」と批判。日本の安全保障政策をめぐっては、「中国を『これまでにない最大の戦略的な挑戦』と位置づけ、防衛予算を年々増やし、平和憲法の限界を何度も破ってきた」と警戒感をにじませた。(北京=畑宗太郎)

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