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2024年8月11日、装甲車に乗るウクライナ軍兵士=ロイター

 ロシア外務省は16日、国営イタリア放送協会(RAI)の撮影チームが、ウクライナ軍のロシアへの越境攻撃を取材するため、ロシア南西部クルスク州に不法に入国したとして、イタリアの駐ロシア大使を呼び出して抗議した。AP通信もウクライナ側のプレスツアーでクルスク領内に入っており、ロシアは占領地を掌握される苦しい戦況が続いているとみられる。

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 ロシア外務省は、ウクライナ軍の越境攻撃を「ウクライナの武装勢力による犯罪的なテロ攻撃」とし、「ロシアの法律とジャーナリストの倫理に違反した」とRAIの撮影チームを批判。「当局が適切な対応をする」として、刑事責任を問う可能性を示唆した。

 一方、AP通信の記者は16日、ウクライナ政府のプレスツアーで、国境に近い同州の町スジャに入った。ロシア側はウクライナによる制圧を否定している。また、CNN記者も国境沿いで、ウクライナ軍の車両が次々と通過する様子を取材。ロシア軍の攻撃の音も聞こえず、状況は安定しているように見える。記者は「ウクライナ軍の攻撃に、ロシア側はまったく防衛できなかった」と伝えた。

 ウクライナ軍兵士はCNNの取材に対し、「最終結果は誰にも分からない」と話した。

 ウクライナ軍は6日にロシアへの越境攻撃を開始。ロシア軍は連日、「ウクライナ軍を撃退した」などと発表しているが、ウクライナ側は、クルスク州で約1千平方キロを制圧したとしている。

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