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明治大学教授の重田園江さん

政治季評 重田園江さん

 パリ五輪の開会式。競技場を飛び出し、セーヌ川中心に街並みそのものを見せる斬新な演出は、パリには珍しい大雨に勢いをそがれる形となった。天候だけはどうしようもないという思いとともに、2008年の北京を思い出して少しほっとした。

 北京五輪の開会式では、雨の可能性に直面した気象当局が「人工消雨」のために約1100発の薬剤入りロケット弾を雨雲めがけて撃ち込んだという。中国政府によるとこの試みは成功し、開会式は晴れた空の下で行われた。

 気候を変えたいという願いは、人類が長い間抱いてきたものだ。それを技術的に実現しようとするのが「気候工学」だ。人工消雨もその適用の一例で、北京ではロケット弾発射に先立って空中薬剤散布も行われた。

 気候工学の起源は19世紀の…

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