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京都国際の応援団長、山本新之助=23日、阪神甲子園球場、高橋健人撮影
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 (23日、第106回全国高校野球選手権大会決勝 東東京・関東第一1―2京都国際)

 愛知県知立市の自宅のベッドで仰向けになり、毎晩のように暗闇を見つめていた。

 「何してるんだろ」。虚無感に襲われ、涙が止まらなかった。

 京都国際の山本新之助は今年1月までの半年ほど、新型コロナウイルスの後遺症で自宅での療養を強いられた。37・5度前後の微熱に下痢、頭痛が治まらなかった。

 打力が持ち味の捕手だが、腰椎(ようつい)分離症で1年夏から翌2年春まで練習できなかった。復帰してから毎晩、寮の点呼ぎりぎりまでバットを振った。遅れを取り戻そうと必死だった。広角に強い打球が打てるようになった矢先、コロナに感染した。

 症状が和らいだ日は散歩や素振りをした。「復帰に向けて何かできている」と思え、自分に優しくなれる。でも夜になると不安になり、自分を責めた。

 療養から少し経ち、家庭訪問…

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