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 長時間労働問題を背景とする公立学校教員のなり手減少などを受け、中央教育審議会が27日、残業代を出さない代わりに一律に上乗せ支給している教職調整額を「基本給の4%」から「10%以上」に引き上げるよう求める答申をまとめ、文科相に手渡した。これをどう見るのか。前回(2019年)の働き方改革答申の際、中教審部会長を務めた小川正人・東大名誉教授(教育行政学)に聞いた。

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 前回の答申は、教員が学校教育活動を行っている時間を「在校等時間」として外から把握できるようにしたうえで、時間外勤務の時間を月45時間以内、年360時間以内というガイドラインを提示した。これが指針として「教員給与特措法」(給特法)に定められた。

給特法、存続選んだ中教審

 今回の答申は、この枠組みを踏襲するものだ。給特法は、いくら働いても残業代が出ないことから「長時間勤務にブレーキがかからない」と批判され、廃止を求める声も上がっていたが、中教審は存続の道を選んだ。

 給特法は本来、教員に時間外勤務を命じないことを原則とする。実態をそれに近づけようと、中教審は今回、残業時間を月20時間程度まで減らすことを目指すと答申に書き込んだ。

 ただ、これは高いハードルだ…

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