今年、関西吹奏楽コンクール(関西吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の高校A部門の出場枠が四つ増えた。台風の影響による順延を経て、9月3日に兵庫県尼崎市の市総合文化センターに近畿2府4県の28校が集い、「秋の全日本」をめざす。
出場枠の増加数は大阪で二つ、京都と兵庫で一つずつ。関西大会から全日本吹奏楽コンクールへ進めるのは3校で変わらず、2011年から昨年までは大阪勢の独占状態(20年は新型コロナ禍で中止)が続いている。今回、出場校の増加がどんな影響をもたらすのか。
大阪からは、昨年に全日本に進んだ大阪桐蔭、東海大大阪仰星、明浄学院がいずれも出場する。大阪桐蔭は全日本でも金賞で、今回はシードでの関西大会出場となった。
府大会で東海大大阪仰星は、課題曲Ⅲを遊び心を生かして演奏。客席をまるでアニメ映画を見ているようにわくわくさせた。自由曲の「神話とモンスター」では一転して、不穏な情景から美しい楽園の世界に導く表情豊かな音色を聴かせた。
明浄学院はたっぷりと息の入った音で、のびのびとうたい上げる演奏だった。自由曲「白磁の月の輝宮夜(かぐや)」では、フレーズごとに音色の変化をつけ、音楽で絵を描くように舞台の空気を変えた。
兵庫から6年ぶり、京都から16年ぶり出場校も
2年ぶりの全日本をめざす淀…