考古学系の学会が会員減少にあえいでいる。環境や研究者気質などの変化に加え、「学問自体の魅力が薄れた」との声も。コロナ下での活動停滞も追い打ちをかけた。曲がり角に直面する中、今年が節目の年となる複数の学会は時代が求める存在意義を模索中だ。
岡山を拠点に東京や関西などでも例会を催す「考古学研究会」は、設立70周年を迎えた。4月には岡山市で開いた総会を次へのスタート地点と位置づけ、「考古学の輪郭」をテーマに据えた。研究対象が多様化・細分化し全体像の「輪郭」がぼやけるなか、現代社会における自らの立ち位置をもう一度見つめ直そうとの思いからだ。
だが、その担い手の減少が止まらない。ピーク時は5千人を超えた会員数も2400人ほどに半減し、「こんなときだからこそ知恵を絞らないと」と前代表委員の吉田広・愛媛大教授。新代表委員に就いた松本直子・岡山大教授も「どこまでが考古学でどこからが考古学じゃないのか。なにをめざすのか、なにが問題なのか、今後考古学はどうなるのか、を考えたい」。
討論では現代社会や国際社会…