「一般人」である参加者が、アイドルグループとしてデビューすることを目指す「アイドルオーディション番組」。なぜ人々は、熱狂するのか。ポピュラー文化に詳しいジャーナリストの松谷創一郎さんは、その人気の裏には、番組のある仕組みと、近年の「推し活」文化の融合があると指摘する。
【連載】オーディション番組 アイドル誕生の「沼」
「普通の子」がアイドルになっていく過程が視聴者の人気を呼ぶ一方で、問題点も指摘されています。番組出演の経験者は、いま何を思うのか。ファンの熱狂の理由は。インタビューなどを通して追います。
「参加者の魅力を掘り起こす」。それがオーディション番組の魅力だと松谷さんは指摘する。
たとえば、視聴者が参加者のステージを見た上で投票する「現場評価」という仕組み。参加者が、トレーニングを通じてどれくらい成長したのか。あるいは、視聴者からの声援を受けて、実力以上のパフォーマンスができるような化学反応が生まれるか。その過程を見守りながら視聴者は「推し」を見つけていく面白さを味わえる。
また、近年、アイドルのデビュー時期は低年齢化する傾向にある。そうした中、こうした番組は、デビュー時期を逃した参加者の「再挑戦」の場にもなっていると松谷さんは言う。
K-POPブームが後押し 過熱する「推し活」
昨年配信された『PRODU…