南海トラフ巨大地震発生時の訪日外国人の帰国支援について研究会を設置することを山梨、長野、新潟、静岡の4県で合意した。都市部の空港の被災が予想されることから、被害想定地域外にある新潟空港や松本空港の活用ができないか検討する。
山梨県の長崎幸太郎知事が5日の定例記者会見で発表した。
県によると、コロナ禍後に訪日外国人は急増。昨年の4県の外国人延べ宿泊者数は約430万人に上る。
だが、南海トラフ地震の発生時には、首都圏の羽田、成田の両空港は混雑し、中部、関西の両空港は震源に近く被災することが考えられるという。
これまで国内では訪日観光客の帰国をどのように支援するか具体的な検討が進んでこなかったといい、8月に南海トラフ地震臨時情報が出された際に課題として浮上した。
研究会には、関係する国の機関や専門家の参加を求め、事務局は山梨県が務める。9月中に設立に向けた準備会を開く。富士山の噴火や日本海側での災害などへの応用も想定している。
長崎知事は「4県の協力体制が構築できれば、被災県がより復興・復旧に専念できる。年度内には何らかの成果を出したい」と話した。(三宅範和)