国連人権理事会の「ビジネスと人権」に関する作業部会のメンバー、ピチャモン・イエオパントン氏が、朝日新聞の単独インタビューに応じた。同氏は旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.(スマイルアップ))の性加害問題について、調査を担当。「再発防止のため、政府は被害者との直接的な対話をするべきだ」と語った。
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――故ジャニー喜多川氏から性被害を受けたと告白した方たちから昨夏、話を直接聞いたそうですね。
本当にひどい体験について聞くのは、つらいことでした。性的虐待と性的搾取の問題として、大変悲惨な事例であると感じました。彼らが声を上げた勇気に改めて敬意を示したいと思います。
でも、声を上げたことでつらい思いをしている人たちもいます。ある被害者の方が誹謗(ひぼう)中傷を受け、亡くなったと知った時は、三日三晩眠ることができませんでした。
- ジャニー氏との過去、声あげたが 「金目当て」遺族にも誹謗中傷
故ジャニー喜多川氏による性暴力を認めた事務所の会見から7日で1年になります。積み残された課題は何か、イエオパントン氏は日本社会の構造的な問題も指摘します。
報告書の文言、強い言葉で表現
――国連人権理事会に提出した報告書で、性加害問題に「深い憂慮を抱いている」と表現しています。どういう「憂慮」でしょうか。
今回の事案は、被害規模の大…