米大統領選が2カ月後に迫るなか、共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(59)の両候補に、中道寄りに姿勢をシフトさせる動きが目立っている。投票先に迷っている穏健派や無党派層の支持を得られるかが、接戦を制するカギになるためだ。
米紙ニューヨーク・タイムズの世論調査によれば、有権者の18%は大統領選での投票先を固めていない。このうち半数は自らを「中道」だと自認しており、両候補はこうした有権者へのアピールを強める戦略に出ている。10日に迫ったテレビ討論会でも、投票先を決めていない有権者の心をつかむことが2人にとって最重要となる。
長期にわたる米国の大統領選では、党内の予備選がある序盤には党派色の強い主張が目立ち、本選が近づくと候補者は中道寄りの姿勢に微修正する。だが政策のシフトは過去の主張との矛盾を指摘されることもあり、難しさもつきまとう。
トランプ氏は中絶めぐり軟化、大麻合法化も
トランプ氏が最も苦慮しているのは、人工妊娠中絶をめぐる問題だ。
8月末、自身が住むフロリダ…