Smiley face
写真・図版
藤田和子さん=本人提供

 認知症になってからも希望と尊厳をもって生きられる社会に――。そう願って藤田和子さん(63)は、認知症の本人として20年近く発信を続けてきました。アルツハイマー病と診断された当時、認知症の人に対する心ない言葉に憤りと悲しみを抱いたといいます。今年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」の成立過程で、本人たちの思いを国会議員に届けた日本認知症本人ワーキンググループ代表理事の藤田さんに、本人にとっての法律の意義や、「共生」への思いを聞きました。

 ――法律の意義はどんな点だと思いますか。

 認知症の人がどのような状態になっても、認知症とともに自分らしく生きることができる社会を願ってきました。

「認知症の人」が主語に

 法律には、「全ての認知症の…

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