京都府は6日、農林業分野の学科を持つ府立農芸高校(南丹市)と府立北桑田高校(京都市右京区)を2026年4月から京都府立大(左京区)の系属校にすると発表した。府立大は27年春以降の入学者向けに、各高校の5人程度が優先的に府立大に入学できる枠を設ける。
府によると、公立大学が農林業分野の系属高校を設けるのは全国で初めて。農林業で働く人が急激に減る中、高校と大学の連携で教育内容の魅力を高めて、将来的に農林業や関連産業で活躍する人を育てたいという。
農芸高は、府内で唯一の単独の農業専門高校で、農業生産科、園芸技術科、環境創造科がある。系属校になった後は、府立大の農学食科学部農学生命科学科と連携し、同科に優先的に入学できる。
北桑田高には府内で唯一の林業専門学科「京都フォレスト科」と普通科があり、系属校になった後は、府立大の環境科学部森林科学科と連携し、同科に優先的に入学できる。
今後は、両高校の生徒が府立大の研究室を訪問して高度な研究に触れる機会を設けたり、府立大生が高校の圃場(ほじょう)などを利用できるようにしたりすることを検討していくという。西脇隆俊知事は「系属校にすることで専門的な学びや学習意欲の向上、研究環境の充実などの効果が期待できる」と話した。(西崎啓太朗)