日本銀行の田村直樹審議委員は12日、岡山市で講演し、物価が見通し通りに推移すれば、政策金利を「少なくとも1%程度まで引き上げておくことが必要だ」と述べた。日銀は7月に0.25%に政策金利を引き上げており、田村氏は今後も利上げを段階的に進めていくべきだと強調した。
日銀は2026年度までの経済・物価の見通しを公表し、その期間の後半(25年10月~27年3月)に、物価上昇率2%の目標が実現するとみている。田村氏はこれに対応して、見通し期間の後半には金利を少なくとも1%程度まで引き上げていく考えを示した。
三井住友銀行出身の田村氏は利上げに積極的な「タカ派」として知られる。講演で、人手不足によって賃上げや価格転嫁が想定より進み、「物価を上ぶれさせる可能性がある」と指摘。一方で、市場の利上げペースの予想は緩やかだとし、「このペースでは、物価の上ぶれリスクを更に高め、後になって急ピッチの利上げを余儀なくされる可能性が否定できない」と懸念を示した。
こうしたリスクを避けるため…