杉本昌隆八段の棋道愛楽
8月31日、9月1日と福井市にある福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の分館で、「将棋まつりin一乗谷」のイベントが開かれました。福井県あわら市では10月19、20日に竜王戦七番勝負第2局の開催が決定しており、今回はその記念の催しでもありました。
私はトークショーと大盤解説を務めました。トークショーの良さは、その世界に詳しくなくても楽しめることです。将棋を全く指さない参加者が多いのが最近の傾向ですが、これは新規のファン開拓につながります。むしろ棋士冥利(みょうり)に尽きるぐらいなのです。
2日目の1日は、戦国時代の武士が興じたという「朝倉象棋(将棋)」の公開対局と将棋大会でした。朝倉象棋とは、王将の前に「酔象(すいぞう)」という駒を置いて42枚の駒で指します。1973年に一乗谷朝倉氏遺跡で酔象が出土したことから福井市で行われるようになりました。
酔象は王将と同じような動き…