東京パラリンピックの競泳男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村敬一(東京ガス)、銀メダルの富田宇宙(EY Japan)は今夏のパリ大会の代表に内定した。
木村が「お互い、東京大会を超えるパフォーマンスを」と言えば、富田は「切磋琢磨(せっさたくま)したい」。刺激を与え合ってきた2人だが、異なる競技への向き合い方でパリに向けて歩んでいる。
木村は自らのことを、冗談めかしてこう表現する。
「多くの日本のマスコミよりも勝利至上主義ですよ」
勝負に勝つことを追い求める明確な理由がある。
コロナ禍に見舞われた2020年、小学校の講演会に招かれたときのことだ。事前の打ち合わせで担当の教師から言われた。
「子どもたちに見せたいので…