How Taylor Swift Surprised Harris, and Entered a New Political Era
9月10日、真夜中になる少し前にカマラ・ハリス米副大統領はフィラデルフィアで開かれた討論会後のパーティーで支持者にあいさつしようとしていた。その時、予想外のニュースを伝えようと、側近たちが彼女を引き留めた。テイラー・スウィフト氏が彼女への支持を表明したというニュースだった。
ドナルド・トランプ前大統領との討論会から上り調子だった副大統領にとって、34歳の大スターであり、世界で最も有名な子どものいない猫好きの女性であるスウィフト氏からの支持は、うれしい驚きだった。
「激務なのは良い仕事をしている証しで、私たちは必ず勝利する」とハリス氏は短いスピーチで述べ、スウィフト氏の支持表明については触れなかった。しかし、副大統領がパーティーのステージを去ると、スピーカーからスウィフト氏の曲「The Man」が流れた。「私は恐れを知らないリーダーになる。タフなボスになる」
その夜は、民主党にとって残酷だった夏が、希望に満ちた選挙シーズンに苦もなく移行したことをまたひとつ証明した。バイデン大統領が選挙戦をハリス氏に譲ってからの数週間、彼女はいくつかの重要な場面で、トランプ氏に対し有利な議論を展開してきた。
しかし、選挙戦は依然として大接戦だ。有権者はいまだに、ハリス氏についてもっと知りたいと考えている。彼女の成功だったと見られている討論会の後でさえ、副大統領の複数のアドバイザーたちは11日、選挙は、どちらに投票するかわからない、あるいはまったく投票しないような無党派層次第だと考えていると語った。
だからこそ、スウィフト氏のような人物が現状を変えられる可能性があるのだ。
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
昨年、テイラー・スウィフト氏の呼びかけると、米国での有権者登録数の新規登録が3万件を超えたそうです。NYTが彼女の影響力をひもときます。
多くのセレブが支持を表明し…