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韓国の高齢者をめぐる状況などについて研究している忠南大教授・金珠賢さん=2024年7月23日、大田、稲田清英撮影

【連載】老いる韓国 「超高齢化」のリアル 第9回(最終回)

 急速に高齢化する韓国で、お年寄りに対する視線が変化しているのはなぜでしょうか。家族社会学が専門で、エイジズム(年齢差別)などについて研究している、韓国・忠南大教授の金珠賢(キムジュヒョン)さんに聞きました。

 ――韓国の社会には高齢者を敬うイメージがありますが、変わってきているのでしょうか。

 敬老の考えはもちろん今もあるわけですが、高齢者という存在に対する社会的な認識が急速に変化しています。それが今の韓国ではないかと思います。

【連載】老いる韓国 「超高齢化」のリアル

日本を上回るペースで進む韓国の「超高齢化」について報告します。超少子化、移民に続き、韓国の人口問題を考えるシリーズの第3弾です。全9回。うち第5回までは韓国の現場の動きを紹介。第6回は日韓連携の可能性を探ります。第7回以降はインタビュー編。今回が最終回となります。

  • 【第1弾】「出生率0.72」の韓国 超少子化社会のリアル
  • 【第2弾】「移民」争奪戦 韓国のリアル
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 ――なぜでしょうか?

 私の関心は、エイジズムの問題ですが、高齢者への差別的な感情を研究すると、一つは「世話の負担」という問題があります。

 ――どういうことですか。

 韓国では、家族の構造が変わ…

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